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Aki Kaurismaki(アキ・カウリスマキ)

アキ・カウリスマキ アキ・カウリスマキ(1957年4月4日~)は異色の経歴を持つフィンランドの映画監督。
ヘルシンキ大学ではコミュニケーション論を専攻し、映画評論家としての職を持っていた。
その他シナリオ作家、俳優、助監督など映像関係の仕事をして多彩さを見せる。
その後、兄のミカ・カウリスマキの映画に俳優として参加したのをキッカケに映画監督に傾倒していく。
アキ・カウリスマキの長編デビュー作品は、ベテラン監督でさえ映画化は難しいと言わしめた、かのドストエフスキー原作の「罪と罰」である。
切るところがなく映画化が難しいと言われていたのを、それではと手を挙げたのがアキ・カウリスマキ。
自身で脚本を書き映像化したが、その後の彼の作品にもよく見られる台詞を控え映像で表現する手法を駆使して撮影されている。
「罪と罰」は、フィンランド国内で好評価を得ている。
アキ・カウリスマキの3作目、労働者3部作と称される作品の1作目「パラダイスの夕暮れ」が、カンヌ国際映画の監督週間に選ばれるなど国際的にも認知される監督となった。
労働者3部作とは、「パラダイスの夕暮れ」「真夜中の虹」「マッチ工場の少女」の3作。
これら3作は労働者階級に焦点を当てたヒューマンドラマだが、アキ・カウリスマキ独特の表現手法である台詞は少なめで、映像で魅せてくれる映画である。
同じくヒューマンドラマの敗者3部作と言われる「浮き雲」「過去のない男」「街のあかり」も存在し、労働者3部作から更に磨きをかけた作品になっている。 敗者3部作では、フィンランドの失業など陰の部分を情緒的でありながら、アキ・カウリスマキ独自の味付けがされた映画となっている。
これらのまじめな作品の他にアキ・カウリスマキ独特のユーモアがちりばめられた作品もある。
2作目の「カラマリ・ユニオン」では、その後に続く「レニングラード・カウボーイズ」シリーズのユーモアが観られ、これらのシーリーズの原点でもある。
これらの作品は、アキ・カウリスマキ監督作品の特徴はそのままであるが、真面目なシチュエーションのなかで真面目に可笑しなことをやらせるアキ・カウリスマキ的お馬鹿映画に仕上がっている。
アキ・カウリスマキは日本との関係も深く、「レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ」の公開後、彼の虜になったファン達も多い。
また、ハリウッド以外の外国映画では珍しく、彼の映画すべてが日本でも公開されている。
「レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ」に出てくるバンドは、フィンランドの人気ロックバンドでスリーピー・スリーパーズと言うバンドだったが、この映画を期にアキ・カウリスマキ監督が考えた架空のバンド名、レニングラード・カウボーイズに改名している。

Filmography/代表作品

罪と罰(1983)
(Rikos ja rangaistus)
 
カラマリ・ユニオン(1985)
(Calamari Union)
 
パラダイスの夕暮れ(1986)
(Varjoja paratiisissa)
 
ハムレット・ゴーズ・ビジネス(1987)
(Hamlet liikemaailmassa)
 
真夜中の虹(1988)
(Ariel)
 
レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(1989)
(Leningrad Cowboys Go America)
 
マッチ工場の少女(1990)
(Tulitikkutehtaan tyttö)
 
コンタクト・キラー(1990)
(I Hired a Contract Killer)
 
ラヴィド・ボエーム(1992)
(Boheemielämää)
ベルリン国際映画祭
批評家賞
愛しのタチアナ(1994)
(Pidä huivista kiinni, Tatjana)
 
レニングラード・カウボーイズ モーゼに会う(1994)
(Leningrad Cowboys Meet Moses)
 
浮き雲(1996)
(Kauas pilvet karkaavat)
 
白い花びら(1999)
(Juha)
 
過去のない男(2002)
(Mies vailla menneisyyttä)
カンヌ国際映画祭
グランプリ、主演女優賞
街のあかり(2006)
(Laitakaupungin valot)
 

recommend/お薦め作品

アキ・カウリスマキ監督のお薦め映画は、コメディ映画3作とヒューマンドラマ映画の労働者3部作、敗者3部作の9作品は押さえておきたい。
コメディ映画の「レニングラード・カウボーイズ」シリーズの原型となる「カラマリ・ユニオン」(直訳すると”イカスミ同盟”)は、15人のグループで全員がフランクと名乗り、サングラスをしている。
フランク達は街の外れにある希望の地エイラを目指して出発、その道中で起こる様々な出来事をアキ・カウリスマキ特有のブラックユーモアで、観るものを楽しませてくれる。
また、後の「レニングラード・カウボーイズ」のメンバーとしても登場するサッケ、マト、サカリも出演し、演奏もしている。
更にユーモアを進化させた作品が「レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ」。
極端に長いリーゼントにトンガリ靴、サングラスをかけた売れないバンド、レニングラード・カウボーイズが仕事を求めてアメリカのニューヨークに渡るが、なぜかメキシコに行くことになる。
途中メンバーの死など悲しい出来事がありながらも、大まじめな彼らの行動が逆に可笑しく見えてくる、アキ・カウリスマキの独特なユーモアのセンスが光る映画。
「レニングラード・カウボーイズ・モーゼに会う」は、前作の続編でレニングラード・カウボーイズのメンバーが再び笑わせてくれる。
この映画は、旧約聖書を元に脚本が書かれていて、監督は”旧約は最悪だから、ジョークのネタにしようと思った。”と言い放っている。
労働者3部作「パラダイスの夕暮れ」「真夜中の虹」「マッチ工場の少女」は、それらのコメディ作品とは全く異なる真面目な映画。 それぞれフィンランドの労働者階級の人々を主人公にした作品で、「パラダイスの夕暮れ」ではアキ・カウリスマキ映画の常連俳優マッティ・ペロンパー、カティ・オウティネンらが哀しい恋を描き、心にしみる作品。
「真夜中の虹」では、仕事を失い有り金を奪われたツイいていない男の度重なる不幸をアキ・カウリスマキ的に描かれた映画。
労働者3部作の最終章「マッチ工場の少女」は、マッチ工場で働きながら家族を養う、冴えない少女の不幸な境遇を映像表現で描いたアキ・カウリスマキの代表作の1つ。
敗者3部作の1作目「浮き雲」では、フィンランドの深刻な失業問題をテーマにアキ・カウリスマキの作風に磨きがかかった作品。
またこの作品で「映画にできることは希望を与えること」「ハッピーエンドで締めくくることを考えた」とコメントしている。
2作目の「過去のない男」では、暴漢に襲われ記憶をなくした男が、流れ着いたヘルシンキで新たな人生を築いていく姿を、アキ・カウリスマキらしいシュールさで描いき、カンヌでグランプリを獲った彼の代表作。
敗者3部作の最終章「街のあかり」では、警備員として働く孤独な男が、魅惑的な女性と出会い、人生が激変してしまう姿をアキ・カウリスマキ流に描いたヒューマンドラマ。
これらのアキ・カウリスマキの映画は、言葉で語るより映像で語る作品が殆どだが、焦点を当てた人々の日常をそのまま映画にしたような感じである。
コメディ作品でも同じことが言え、言葉より映像表現で観るものの口元をほころばせる映画を、私たちに見せてくれる。

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