フランス映画はヌーヴェル・ヴァーグ以降、ヒット作に恵まれず映画産業が衰退していく、そんな中にあって、リュック・ベッソンと並んで現在のフランス映画を支える映画監督ジャン-ピエール・ジュネ(1953年9月3日~)。
リュック・ベッソンが監督を引退することで、事実上フランス映画界ナンバー1監督と言っても過言ではない。
フランス映画独特の映像の美しさ(鮮やかさ)を出しながらも、ジャン-ピエール・ジュネ独特のブラックなユーモアを効かせた映画制作をすることで有名。
ジャン-ピエール・ジュネは自身の作品に、フランスの俳優ドミニク・ピノンやオドレイ・トトゥなど演技派俳優をよく起用する。
特にドミニク・ピノンとの関係は長く、ジャン-ピエール・ジュネが短編映画を撮っていた時代からのつきあいで、その後のジャン-ピエール・ジュネの映画総てに出演している。
友人であり短編映画時代から共同で監督してきた、マルク・キャロと共に「デリカテッセン」を制作し長編デビューする。
「デリカテッセン」の評価が高くフランスでも大ヒットする。
再びマルク・キャロとの共同監督作品「ロスト・チルドレン」を制作後、アメリカ映画界に認められ渡米。
ハリウッド映画の続編映画「エイリアン4」を監督することになる。
しかし、「エイリアン4」の完成後、再びフランスに戻って世界的にヒットした「アメリ」を監督し、名実共に名監督の仲間入りを果たすことになる。
ジャン-ピエール・ジュネの映画の世界観は、彼独特のもがあり観る者を引きつけるが、ハリウッドで撮った「エイリアン4」では、残念ながらそれを観ることが出来ない。
やはりジャン-ピエール・ジュネ監督が好きなように撮れるよう、フランスで映画制作をしていた方が良い作品が生まれるようだ。
| デリカテッセン(1991) (Delicatessen) |
セザール賞 新人監督作品賞、脚本賞、編集賞、美術賞 |
| ロスト・チルドレン(1995) (La Cité des enfants perdus) |
セザール賞 美術賞 |
| エイリアン4(1997) (Alien: Resurrection) |
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| アメリ(2001) (Le Fabuleux Destin d'Amélie Poulain) |
セザール賞 作品賞、監督賞、音楽賞、美術賞 英国アカデミー賞 脚本賞、美術賞受賞 |
| ロング・エンゲージメント(2004) (Un long dimanche de fiançailles) |
セザール賞 助演女優賞、有望若手男優賞、撮影賞、美術賞、衣装デザイン賞 |
ジャン-ピエール・ジュネの映画で「エイリアン4」以外の作品はどれも観る価値がある。
デビュー作は核戦争後のフランスを舞台にした近未来映画「デリカテッセン」。
この「デリカテッセン」で、ジャン-ピエール・ジュネはいきなり注目を集めることになる。
「デリカテッセン」は、全体的に暗いトーンだが、デザインのセンスがそれを打ち消している。
それをジャン-ピエール・ジュネが独特のセンスで味付けしたヒューマンブラックコメディーに仕上がっている。
2作目の「ロスト・チルドレン」も近未来の映画。
塀に囲まれた架空の水上都市で起こる一つ目教団による子供の誘拐事件や夢泥棒と今度はファンタジー要素を含んだ映画。
ジャン-ピエール・ジュネが生み出した、奇妙なキャラクター達が繰り広げる奇妙な物語は十分楽しめる。
撮影のために作られた都市のセットは圧巻であるが、衣装を担当したジャン・ポール・ゴルチエのデザインにも注目したい。
そして世界的にヒットした「アメリ」でもジャン-ピエール・ジュネは、強烈なキャラクタを生み出してくれている。
アメリ役に抜擢したオドレイ・トトゥが、強烈で特異なキャラのアメリを見事に演じきっている。
キャラクタが強烈なアメリの印象が強く残るが、映画に使われているカラーが印象的で映像が美しくセンスが光る。
「ロング・エンゲージメント」は、これまでのジャン-ピエール・ジュネとは違った少しまじめな映画。
「アメリ」に引き続きオドレイ・トトゥを起用し、第1次大戦下のブルターニュ地方で、戦争に駆出され帰ってこない恋人が、生きていること信じて探し続ける女性を演じさている。
やはり「ロング・エンゲージメント」の映像も美しくとても印象的、ジャン-ピエール・ジュネの映像センスが光る映画。
まだ監督としては若いことからこれから作られるジャン-ピエール・ジュネの映画が楽しみである。



